株式会社ヤマカワ プロジェクト会議

「株式会社ヤマカワ」認知度アップ計画 vol.1

やわらかい発想で意見交換してみたら...

9月某日。
消費税増税で世の中が日用品は8%だ、嗜好品は10%だと軽減税率で右往左往する中。
株式会社ヤマカワの精鋭が社長の元に集結した。

新たなミッションがスタートしたからである。

社長はこんなことを提示した。
「数多の製造業が存在する中、株式会社ヤマカワを一言で説明することは可能なのだろうか?」
当社の主力業務は金型を作成することと、もう一つが「ゲージ」と呼ばれる検査治具を作成するものだ。
この「ゲージ」と呼ばれる業務は一般には認知が浸透しているとは言い難い。

ゲージと言って、ペットの檻を作っているのか? と尋ねられることもあるくらいだ。

ゲージとは、測定ゲージ・検査ゲージなどと呼ばれ、簡潔に説明するならば早く正確に製品の合否判定ができる装置を作ることである。
立体的なパーツそれぞれ、またはパーツとパーツの接合度合いなど立体的な物差しを、その形、カタチに合わせて作成する。そんなイメージの仕事である。
この文脈を読んで「あぁ、なるほど」となる方が、どれくらいいるであろうか?
目一杯わかりやすい説明をと言葉を選んでみても「ふーん」と、わかったような、よくわからないような相槌を打たれることが関の山だと思う。

そこで、社長はプロジェクトチームを設け、
ヤマカワはどんな機械を保持しており、例えば何が作成できるのかを、発信することにより一般的な「ヤマカワ」への認知を上げていこう。
そう考えたのだ。

「実務・業務にとらわれず、やわらかい発想で意見交換をしたい」

第一回のプロジェクト会議のミッションはそう設定され会議がスタートした。

会議風景

アイデアの捻出
最初の会議、しかも発想が広いこともあり、会社側は事前に「例えば案」を作成していた。

01.測ってみるシリーズ
ヤマカワの保持している測定器の中に「非接触アーム型三次元測定機」というものがある。
レーザーを使い、長さ大きさなどを測定することが可能な設備だ。
これを用いて、以下のアイデアを「例」として提示した。
-パイプの奥はどこまで測れるのか試してみた。
-非接触の測定器精度のアピール(ビフォーアフター)
-勝手にオブジェ(マスコットの立体サイズ変更など)

02.ケミカルウッドを題材にする
自社で最も多く利用する素材が「ケミカルウッド」である。
ケミカルウッドとは主にポリウレタンを使って人工的に木材のような性質を持たせた素材で、加工性に優れ、環境にも配慮した素材である。硬さなど色々な種類もあるためこの素材を使って何ができるのかと「例」を出した。
-ケミカルウッドを素材にゴルフのドライバーやパターは作れるのか?
-ケミカルウッド家具はオシャレになるのか?
-ケミカルウッド食器はオシャレになるのか?

03.ヤマカワの技術を題材にする
自社の設備や機材、そして技術を最大限に扱い何かできないかと考える。
「例」として出したものは
-公差の世界(世の中のあらゆるミクロの段差を測りまくる)
-切削で自社看板を作る(ゴールは会社のどこかに取り付ける)

といった具合に、こんなことをやったら「面白い」のではないか? という発想を主軸としてアイデアを提示した。

具体例が上がったところで、会議の熱量はグッと上がる。
これはできる。これは難しいという技術的な議論から、これはやってみたい。これは面白そう。というポジティブな意見も生まれた。
そんな中、アイデアとして絞り込まれたきたものが以下の二つだ。

・ケミカルウッド家具はオシャレになるのか?
・勝手にオブジェ(マスコットの立体サイズ変更など)

勝手にオブジェに関しては、自社の技術に「リバースエンジニアリング」ができるという強みがあり、既存の立体物があれば立体をスキャニングしてデータ化をすることが可能である。データ化してしまえばサイズの拡大縮小はさまざまで、小さいものを100倍に拡大することも可能だ。

ヤマカワオブジェ

この自社の技術とノウハウを利用して、常滑の招き猫のオブジェのように、
ヤマカワの社屋屋上におかざえもんのモニュメントを作ってはどうか?というアイデアが出たのだ。

社屋にオカザエモン

これなら、社屋がどこにあるか一目瞭然で来社時に迷うお客さんが激減する。
近くにある中学校からも話題騒然! ちょっとした観光スポットになったりして、会社の認知度もグッと上昇!!
こんなメリットが生まれる。
問題点があるとすれば、おかざえもんの使用が許可されるか? いやほんとに会社としてそれしていいの? 的なコンプライアンスのみだ。

「商工会に一回きいてみるわ」

話が盛り上がると社長が一言。おかざえもんの許可に関して動くというニュアンスの言葉。

一同「社長、案外乗り気ーーーーーっ!!」

ということで、まずはこのプロジェクトで何がどこまで出来るのか? という方向で会議はまとまる。
一つに絞るのではなく、二つを同時進行でどこまでやれるのか? という計画となった。

ケミカルウッド家具に関しては、次回の会議でそれぞれが作りたい家具のアイデアを持ち寄ることに。
自社で使う素材が家具としてどこまで機能するのかという実験も図れるため、実験としても申し分ない。

おかざえもんが社屋屋上に設置されるのか?
made in YAMAKAWA のおしゃれな家具が生まれるのか?

次回の会議のスタッフのアイデアが待ち遠しい限りだ。

つづく

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